いつもご覧頂きありがとうございます。
新型で製作したブルゾンの製作雑記です。
Instagramで投稿したものから追記しました。
宜しければお読み下さい。
Instagram関連投稿
https://www.instagram.com/p/DBdtL5Ezauv/?img_index=1
MA-1は、ミリタリーウェアを代表する名作です。
(画像:アルファインダストリー社HPより)
https://alpha-usa.jp/features/ma-1_the_first_part.html
アメリカ空軍のフライトジャケットとして採用されたこのアイテムは、狭いジェット機の操縦席で、身体の動きやすさと、シンプルで邪魔にならないスタイルを目指して設計されていると思います。
中綿の入った化学繊維のカーキ生地に、前振りの袖、裾と袖口のリブ仕様は、機内での操縦に最適化された形を究極的に突き詰めた逸品です。
ミリタリーのアイテムが、現代でも魅力を帯びている理由を考えた時、
局所的な需要のための合理的な製品は、合理的な意味が必要ではなくなった後にも、長く愛される物になると思えました。
そこにあるのは典型的な機能美に見えます。
そんなMA-1を反物でつくりました。
大戦中、日本にあった反物で、当時の空軍がフライトジャケットをつくったら?そのような妄想をしつつ、型をつくっておりました。
MA-1と言えば、化学繊維の光沢あるカーキを連想しますが、
初期段階では、レザーやコットンが採用されていたようです。
化学の進歩によって、もたらされた化学繊維を最先端で取り入れたのがMA-1というアイテムです。
それを現代で、敢えてコットンの生地で、敢えて反物でつくるというのは、
このような文脈を考えると面白がって頂けるのではないでしょうか。
動きやすさはもちろん、
反物ならではの、約38cm幅による制限の中で、機能美を残しながら
どこを切り替えにして形にしていくか、縫製面では工場の牛島さんとやり取りをしながら、ベストな仕様を探る試行錯誤もあり、
なんとか物になりました。
肩のラインを意識させない、ラグランスリーブに変更し、
袖下のマチによる可動域を確保するMA-1原型のパターンは継承しました。
反物の幅で縦に切り替えていけば、それだけ形になるのですが、
それでは敢えて反物を使う面白さが半減してしまいます。
元のパターンを反物の幅でつくる制限があるからこそ、
なかった型を生み出すことができると思えました。
全てに合理的な意味がある訳ではありません。
装飾や作者の好みによる線や形もあると思います。
長く愛されるアイテムを、現代の自分がつくったことで、未来のどこかで見つかった時、この服に新しい意味が宿ってくるのではないかと思っています。
生地の面では、
裏地のレスキューオレンジは残しながら、
表地は綿の久留米絣や片貝木綿だけでなく、
大島紬などの絹素材の反物でのこの形は、化学繊維のMA-1と違った光沢と軽さと趣があり、
是非、日本人に着ていてほしい現代のミリタリーに仕上がりました。
男性の自分からすると、
このような男臭いミリタリー系の服を、ワンピースと合わせて着用できることは女性の羨ましいところだなと感じました。
西洋化した日本人に薄れつつある
土着的で民族的な日本の織物を羽織り、カオスな現代社会との戦いの毎日に着用される制服となれば、嬉しいです。